ぽんにっき

ひがないちにち おしのことばかり

1723

辻本くんが座長を務めた

青春舞台 1518! イチゴーイチハチ が

一昨日千秋楽を迎えました。

 

キャストの皆さん、スタッフさん方

本当に本当にお疲れ様でした✨

 

 

 

私は漫画や小説を読むのが昔から大好きです。

本は自分のペースで読めるし、作者の方の思いが言葉の端々や、何気ない描写に現れるし、何より想像の余地がある分あれこれ考えるのが楽しい。……そうなんです、私は、根っからの「原作至上主義」でした。今どきの言葉でいえば「原作しか勝たん」だったわけです。

 

しかし、今回「推しが出る💓」なんて、何ともミーハーな理由で見た舞台で、「え、舞台化って、原作とはまた違う魅力があるのかも」と思うに至りました。文字にしてみると、なんとも平凡な感想に見えるのですが、これは私の中ではかなり衝撃でした。圧倒的に私の考えが甘かった、と言わざるを得ません。

 

そこで今回のブログは、1518!の舞台の観劇を通して、「舞台化」ってすごいじゃん!!と感じた3つのポイントを、舞台の感想を交えながら書こうかな、と思います!

 

5分くらいで読み終わる量かな、と思うので、お時間ある方ぜひお付き合いください!

 

 

 

なお、このブログは以下

舞台 1518!のネタバレ」と「舞台1518!のシーンと、原作1518!の同シーンの比較」を含みます。

 

舞台化されていない部分の原作のネタバレはありませんが、新鮮な気持ちで原作を読みたい方は、読まれない方がいいかと思われます🙇‍♀️

 

そんな方は、ぜひ原作の方を先に読んでくださいね😉💕

 

 

 

①舞台のストーリーに組み込まれる音楽

 

舞台1518!では、たくさんのシーンで、ダンスや歌が印象的に使われていました。

例えば、アイス大作戦で聞き込みをするシーン、みんなで掃除をするシーン、そして恐らく見た皆さんが一番印象に残ったであろう、挿入歌「Changes」を歌うシーンなどです。

 

changes

changes

 

このようなミュージカル的なシーンがある事で、ワクワクとした気持ちの高揚を、より見ている人が一緒に感じることが出来ていたように感じました。

 

漫画や小説は、文字や絵以外の情報がありません。もちろん、だからこその楽しみ方があるのですが、音楽が持つ力は、ストーリーを深めたり、見ている人が同じ時間や同じ気持ちを共有していくのに、凄くいい役割を果たしてくれるんだなあと感じました。1518!では原作でも歌を歌うシーンがあるので、ミュージカルパートに違和感なく移行して行くところも素敵でした。

 

また、今回ダンスパートになっていた「アイス大作戦!」のシーンは、実際に原作の生徒会の紹介ムービーに含まれるという設定だったはずなので、生徒会メンバーと公志朗のお父さん(舞台では、あと、お兄さん)しか見ていないはずの、生徒会紹介動画を私も見られたような気持ちになって、とってもワクワクしました。私が無知なだけかもしれませんが、こんなミュージカルの使い方があったなんて……と本当に感動しました。

 

 

ちなみに、原作の生徒会紹介動画では、「I have a Dream」が歌われるのですが、この曲が原作のイメージにピッタリで、ぜひ聞いてない人は聞いてみて欲しいです!

舞台で使われた、力強い追い風のような「Changes」も私の中の辻本くんのイメージにぴったりなので好きなのですが、原作の優しくそばにいて、背中を押してくれるようなこの曲は、まるで幸ちゃんのようだなぁと、公志朗が幸ちゃんと手を繋いで歌っているシーンをより暖かな気持ちで見つめることができる気がします☺️

 

I Have a Dream

I Have a Dream

 

歌詞は和訳をされている方が沢山いらっしゃるので、ぜひGoogle等で検索してみてください!

 

 

 

 

②期間限定である、ということ

 

私の本が好きな理由の一つに「いつでも、なんどでも読めること」があります。好きな時に好きな部分を見返すことが出来るのは、ゆっくりと好きな物に浸る時間が好きな私にとっては、とても魅力的なことです。

 

一方、舞台は生物です。消えものです。そんなの寂しい!!そう思っていました。

 

しかし、その寂しさと、今回のような青春の限定感がマッチするとどうでしょうか。

 

 

結論から言うと、臨場感がとんでもないのです。配信で見ている私がそうだったのですから、劇場で見られた方は余計そう感じたに違いありません。

 

大人になると、高校生活のような期間限定感を肌で感じることは本当に少なくなっています。なにかに夢中な時間はとても短い。ああ、もう終わっちゃう、まだ終わらないで欲しい。そんな切実な気持ちが、1518!に流れる青春の時間の感覚とぴったり一致したとき、まるでキャラクター達と周波数が合ったように、感情がぐっと自分の中に入り込んでくるような感じがしました。

 

高校生の時に原作を読んでいたら、元々キャラクター達とチャンネルが合っていたのかもしれません。しかし、大人になった私でも、10年前にすっとタイムスリップするような感覚は、舞台ならではだったのではないかなぁと感じました。

 

確実に舞台期間中、私の心は松武生になっていました。

 

 

 

 

③キャストの皆さん自身にストーリーがあること

 

 

辻本くんは、以前Twitterで公志朗を演じるということを表すのに、「公志朗の心に触れ、共に生きる」という表現を使ってらして、その表現がすごく私の中でしっくりきました。

 

忠実にキャラになることも、それは素晴らしいお芝居だと思います。しかし、キャラクターと共に生き、舞台に立つことで、キャラクターの魅力にキャストさんの魅力が重ねられて、新しい色合いが生まれるように感じました。そのことで、たくさんの名シーンが、舞台でより新しい魅力を放ったと私は思っています。

 

 

 

菊池さんの演じる幸は、菊池さんのお人柄としか思えないような優しさが、所作の一つ一つに現れていました。また、歌唱シーンは、彼女が今まで積み重ねて来られた、「歌」の表現力で、幸ちゃんが見ている景色が私の目の前に広がったようなそんな気持ちがしました。

 

椿さんの演じる環は、野球が楽しいんだって表情が、椿さんの実体験があってこそのリアリティであるように感じました。また、彼女の気にしてらした、「長髪の環」は、まさに双方の魅力が重なり合った素晴らしいものであったように感じます。髪を短くして男性に負けじと努力した原作の環も素敵ですが、女性らしい美しい長髪をトレードマークに果敢に野球に挑み続けられた椿さんが演じた環も私は大好きです。

 

辻本くんが演じる公志朗は、私がファン故に辻本くんの事を知りすぎていることもあるのかもしれませんが、あまりにも辻本くんの感情がそのまま公志朗にリンクしていくようで、すごいものを見たなぁという感じがしました。特に、辻本くんの仰っていた、「野球を諦めるシーン」では、高校生の頃の辻本くんを直接見たような、そんな衝撃がありました。その衝撃は、初日の公演を配信で見た日に、幕間だけでは気持ちが処理できず、動画を止めて30分ほど呆然としていたほどでした。息が苦しくなって、胸が締め付けられるようでした。それは、辻本くんが公志朗としてこの1ヶ月間真剣に生きたことと、過去の苦しみを素直に表現出来る真っ直ぐさと、29年間の彼の努力を怠らない生き様がなせることだと思いました。素敵な人を応援できて幸せだなぁと、改めて感じました。

 

他のキャストの方々も、それぞれの魅力が存分に発揮された、いい意味で「原作に似ているだけではない」演技に、素直に「舞台化って凄いんだなぁ」と感心してしまいました。

そして、そのカンパニーの皆さんのオフショットや、SNSへの投稿を見て、また「本当に漫画の中の話みたいだ、舞台って凄いんだなぁ……」とやっぱり感心していしまいました。

 

 

 

おわりに

 

今回の1518!という作品、そしてその舞台を通して、あまりにも臨場感のある青春時代を体験することになりました。それは、言葉で書いても書いても、気持ちの上を滑っていってしまうような、上手く言えない、なんとも不思議な体験でした。

 

辻本くん目当てで見始めた舞台に、こんなにも心が動いたのは、原作の相田先生とキャストの皆様の努力と魅力の賜物だと思います。

 

また、スタッフさんにおかれましては、こんな大変な世の中で、舞台を決行してくださったこと、また、行けない人のために配信をしてくださったこと、本当に心から感謝しています。

 

 

 

 

一つ、欲を言うのならば、再演して、今度は生でこの舞台の熱を共有したいなぁと思います。

 

 

 

 

 

私にとって、きっとこの舞台そのものが、川を超える時に背中を押してくれるものの一つになるんだろうなぁ、と確信しています。素敵な宝物を、ありがとうございました。